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そういってサオリは小さいホットパンツのポケットから、小さなビニール袋を取り出す。
満面の笑みを浮べる彼女は何処かの聖女にも見え、何処かの孤児にも見えた。
ロウレニスはため息を付いた後、言う。
「家だって厳しいんですよ、サオリさん」
「ハッハッハ気にするな少年、いつか返すから」
「そういって返してくれたことないじゃないですか……」
「気のせいだ、気のせい。ハッハッハ」
豪快に笑ってみせるサオリ。
そうされてはロウレニスとしては頷くしかない。
彼が諦めて米を取りに台所へといこうとしたとき、サオリが引き止めた。
「待て少年」
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