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「はい?塩ならあげませんよ?」
「違うぞ少年。この匂い、炒飯を作ってるな?」
サオリの一言でロウレニスの体がビクッと震える。
その姿を見て、サオリはニヤリと笑うと、ロウレニスの肩を掴んで言う。
「お姉さんにもご馳走しなさい」
まさに蛇に睨まれた蛙状態で、ピクリとも動かなくなるロウレニス。
顔からは相当な量の冷や汗が流れている。
「い、いや、二人分しか作ってませんし」
「そういう時は男が我慢するもんだぞぅ?少年よ」
だんだんロウレニスの顔が泣き顔へと変わっていく。
(良し、もう一押し)
と、サオリが心の中でガッツポーズを取っていると。
ロウレニスに隠れていたランステッドが、サオリに手をかざして言う。
「あれはダメなのッ!!ボクとロウが食べるんだから」
その姿を見て、サオリはというと。
「紅子健気~、かわいいな~コイツゥ」
と、言いながらランステッドを抱きしめた。
「ちょ、離してよ!!」
サオリから逃れるためにランステッドはもがくが、中々逃れられない。
吸血鬼の超人的な身体能力を持ってしてもサオリの腕は離れず、ランステッドの薄い胸に頬ずりを始める始末。
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