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雑居ビルから出たサオリは、停めてあった自分のバイクに跨り、今日の予定を確認する。
「えぇっと、本屋に行って新刊チェックして、興味あったのあったら立ち読みを慣行。お、そうそう今日はラノベ30%オフの日だ。気に入ったのあったら買っちゃおう」
一人呟くサオリ、人通りが少ないものの周りから訝しげな顔をされるが、彼女の容姿と服装を見るとすぐに鼻の下が伸びていった。
男女問わず、である。
サオリという女性は黙っていれば相当の美人なのだ。
キリッとしたやや吊り気味の目は生気に満ち溢れ、薄い唇は妖艶な雰囲気があった。
が、それを台無しにするのが彼女の言動と行動。
オタク、の一言に尽きる。
あるいは、変態と言い換えてもいいだろう。
周りの侮蔑と羨望の眼差しに気付かず、サオリは続ける。
「あとは、美少女ウォッチングでもしてようかな、その後『機関』に顔出そう」
そう決めるとサオリはバイクのキーを回す。
それに呼応し、バイクから爆音が響く。
ほどなくしてバイクは発進、最初の目的地『本屋』へと向かった。
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