~Daily Life of Saori~

6/6

189人が本棚に入れています
本棚に追加
/223ページ
+  雑居ビルから出たサオリは、停めてあった自分のバイクに跨り、今日の予定を確認する。 「えぇっと、本屋に行って新刊チェックして、興味あったのあったら立ち読みを慣行。お、そうそう今日はラノベ30%オフの日だ。気に入ったのあったら買っちゃおう」  一人呟くサオリ、人通りが少ないものの周りから訝しげな顔をされるが、彼女の容姿と服装を見るとすぐに鼻の下が伸びていった。  男女問わず、である。  サオリという女性は黙っていれば相当の美人なのだ。  キリッとしたやや吊り気味の目は生気に満ち溢れ、薄い唇は妖艶な雰囲気があった。  が、それを台無しにするのが彼女の言動と行動。  オタク、の一言に尽きる。  あるいは、変態と言い換えてもいいだろう。  周りの侮蔑と羨望の眼差しに気付かず、サオリは続ける。 「あとは、美少女ウォッチングでもしてようかな、その後『機関』に顔出そう」  そう決めるとサオリはバイクのキーを回す。  それに呼応し、バイクから爆音が響く。  ほどなくしてバイクは発進、最初の目的地『本屋』へと向かった。
/223ページ

最初のコメントを投稿しよう!

189人が本棚に入れています
本棚に追加