ー 行き倒れの二人 ー

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確かに、原田の言う通りだ。鴉の言葉が真実ならば、そう易々と滅ぼされることなど、ないだろうに。 鴉 「如何に『言霊遣い』と言えど、人間には変わりない。何をどうやったかは知らないが、『言霊』を封じられ、皆様方は………ッ」 無念と悔恨、己が無力感。鴉の言葉からは、それが痛いほど、感じられた。        ー悔しかった筈だー 鴉の態度からして、『御堂家』は、只の主家と言うわけではないようだ。鴉の凛への接し方からも、それは伺える。 土方 「なら、凛…殿の『声』も、その所為か?」 凛を呼び捨てにしかけて、土方はあわてて、敬称を付けた。 鴉 「姫の声は、ご母堂様であらせられる、嵐様御自ら『封印』を施されたのだ。『言霊』が使えなければ、狙われることもないからと………。」 永倉 「“『言霊』が使えなければ”?じゃあ、姫さん達が狙われたのは、『言霊』の所為ってのか?なんで………。」 激昂して、声を荒げた永倉に、山南が答えた。 山南 「おそらく、『言霊遣い』の力を恐れた『何者か』が………。それだけ、『御堂家』の『言霊遣い』の力は凄まじいのでしょう。」
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