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ーズカズカ、バンッ
鴉
「朝から、何と言う騒がしさなんです?大体、許可なく、姫の寝所に入ろうとは、言語道断!」
三人が襖を開けるより、早く鴉が開け、一喝した。
朝から騒がしい上、無断で凛の部屋へ入ろうとした無礼者達。
もしも、永倉がいなければ、『無礼打ち』にされていたのかも知れない。
永倉
「おはよう、姫さん。昨夜は、よく眠れたか?」
優しく問い掛ける永倉に、凛は小さく頷いた。相変わらず、黒玻璃のような瞳だが、僅かに感情が顔に出ている。
永倉は、そのことに密かに安堵した。助けた手前、この二人のことを、気に掛けるべきだと思っている。
永倉が自分たちを助けてくれたことに、凄く感謝しているらしい凛は、鴉に『永倉に対して、礼を尽くすように』と命じたと聞く。
その為、鴉は永倉にだけは抗議することはない。
永倉は凛を『姫さん』と呼んでいるので、特に抗議する理由もないのだが………。
ー鴉にとっては、凛が第一。七代前から『御堂家』に仕える彼は、凛を酷く大事にしている。
彼の『真名』を奪い、『従者』とした最初の主。その主より、七人目である凛の方が、大切なのだ。
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