ー 行き倒れの二人 ー

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ー壬生浪士組屯所 局長室ー 沖田 「………で?何で、連れて来ちゃうんですか?素性もわからない、間者かも知れないのに!土方さんはともかく、近藤さんに何かあったら、どうするんです?」 沖田の失礼な発言に、土方の眉間の皺が、若干深くなったような気がするが、当の沖田は、気にも留めず、永倉に噛み付いていた。 永倉 「門前に倒れてんのに、放っとくワケにもいかないだろ?!一人は女だったんだし………。」 沖田 「なら、彼女だけ助けて、男の方は、放っておけば良かったじゃないですか?」  とんでもないことを言い出す沖田。彼は、近藤至上主義な為、他者に対する配慮、つまり気配りが欠落している。 要は、近藤さえ良ければいい。他は、どうなっても構わないのだ。 斎藤 「………俺は、別に助ける気はなかった………。」 藤堂 「どーせ、ぱっつぁんが言い出したんだろ?女には、甘いもんなぁ~。」 ケラケラと、可笑しそうに笑う藤堂。隣に座る原田も、腕を組んだまま、うんうんと、頷いている。 近藤 「いや、永倉君の判断は正しいぞ。我ら『壬生浪士組』の任務は、京の治安維持だ。困っている者を見捨ててはおけん。」
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