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部屋にいる者達が、騒めく中。
話題の渦中にいるにも関わらず、眉ひとつ動かさず、凛は、ただ大人しく座っていた。
集まった幹部達が、『信じられない』と言った表情、で彼女を見つめた。
この、感情を宿さぬ瞳と無表情の所為か、人形のような印象を与える少女に、そんな“現実離れ”した能力があるとは、俄かには信じ難いものがあったのだ。
土方
「ま、喋れないんじゃ、証明しようがねえよな………。」
土方の言葉を侮辱と取った鴉が、ギリギリと奥歯を噛み締めた。先程、凛に制されたからだ。
永倉
「まぁ、いいじゃねーか。姫さんが、例え、凄え力を持っていようと、利用しようなんて気は、更々ないし。」
鴉
「………貴方が、そう仰るならば、今は収めて差し上げますよ。」
意外な言葉で、鴉は怒りを収めたようだ。ただ、甚だ、不本意ではあるようだが………。
原田
「何で、新八の言うことは、素直に聞くんだ?」
鴉
「姫が、先程、仰ったんですよ。私達を救って下さった、その方には礼を尽くせ、と………。」
鴉の言葉に、こくんっと頷くと、凛は永倉に、にっこりと微笑んだ。永倉は勿論、その場の全員が驚きながらも、赤くなった。
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