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くっそなんでそんな切なそうな顔すんだ。そんな顔されたら、抵抗出来ないだろが。
軽く触れ合った唇に、俺は目を閉じた。
流されてる。まるで洗脳だ。
千尋の顔に、千尋の声に、千尋の行動に。がんじがらめにされてるのは、俺の方だ。
「ハニー?一度でもいいから言って。…俺のこと、愛してるでしょ?」
知らないからな。後で刷り込みだって気づいても、本物の運命の恋人が現れても。
「俺のストーカーなら、言わなくても分かれ」
目を開けて、俺は千尋の口に噛みついた。
アホが。離してやんねーからな。
終
2012/6/5
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