0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
昼前にようやく目が覚めた私は当たり前のように枕元にある煙草に火を点けた。
宙に向け白い煙を吐き出しながら何故か違和感をおぼえた。
そういえば昨夜はバーであみさんにビールを一杯だけ飲まされたな。
白い煙が散ってゆくのを眺め、寝起きで未だボーッとする頭でふと、違和感の正体に気付く。
ん…、昨日の昼間は何してたんだっけ。
何かオカシイ。お酒で記憶をなくす事はたまにあるけど、昨夜は一杯だけでやめて帰って…竜と電話してた筈。
いやいや、飛んでるのは呑んだ後ではなく呑む前の記憶だ。
…………………
…………………
…………………?
まあ、ゆったりして考えてれば思い出すだろう。
しかし…思い出せない。
灰皿には既に6本もの煙草の吸殻がたまっている。
一時間近く、同じ思考を繰り返して『竜に電話してみよう』という結論を導いた。
彼氏の竜とは毎日電話してるし、サラッと聞いてみればいい。
ド忘れしてるだけ。
聞けば思い出すだろう。
最初のコメントを投稿しよう!