第1章

11/18

428人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
「……やはりいいな、その目」 熱い眼差しで恋夜を絡めとりながら、高見沢がゆっくりと歩み寄ってきた。 風呂あがりの恋夜は、茶色いカラコンをはずして、生来の青い瞳に戻っていた。 「湖のように深い青……不思議な色だ」 冷たい指を恋夜の顎にかけてすくいあげるように上を向かせ、高見沢は少年の白い美貌を覗きこんだ。 それから、慣れた手つきで恋夜の細い首に鎖のついた首輪を嵌めた。 「来い、恋夜。今日もたっぷり可愛がってやる」 長い睫をかすかに震わせて、恋夜は高見沢を見あげた。 小さく開いた唇も、夢見るような瞳も、高見沢の行為を決して嫌がってはいなかった。 むしろ誘うような……どこか陶然とした、なまめかしい表情を浮かべていた。 「来い、恋夜」 もう一度言って、高見沢は強く鎖を引いた。 「っ!」 首輪がきつく喉に食い込み、恋夜は一瞬息が詰まった。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!

428人が本棚に入れています
本棚に追加