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「おまえは俺のペットだ、恋夜。可愛い声で啼くがいい」
低くささやいて、高見沢は黒革の鞭をふり降ろした。
ビシッと鋭い音が響き、背中に激烈な痛みが弾ける。
「あうっ!」
恋夜は、顔を歪めてのけぞった。
毎晩、今夜こそ声をあげまいと思うのだが、あまりの激痛に、つい声が漏れてしまう。
痛みにあえぎながら、恋夜は、高見沢はさぞ満足そうな顔をしているんだろうなと思った。
だが、すぐに、容赦なくふり降ろされる鞭の雨に、何も考えられなくなった。
目も眩む激痛だけが、恋夜の意識を支配していた。
「あっ!ああっ!!あうっ!!」
柔らかな栗色の髪をふり乱し、ほっそりした肢体をのたうたせて、恋夜は激しく身悶えた。
毎日、何十回も鋲のついた鞭で打たれているので、背中には抉られたような深い傷が無数に刻みこまれていた。
息をするのも辛いほど激しく疼く傷口を、さらに渾身の力をこめて鞭打たれるのだ。
その痛みといったらなかった。
一打ごとに恋夜の華奢な肢体が跳ね、手錠がきつく手首にくいこんだ。
「あうっ!!ああっ!!あっ……ああっ!!」
綺麗な顔を苦痛に歪め、白い喉をのけぞらせて、恋夜はもがいた。
激しいあえぎが、可憐な唇から漏れる。
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