第1章

14/18
428人が本棚に入れています
本棚に追加
/102ページ
「おまえは俺のペットだ、恋夜。可愛い声で啼くがいい」 低くささやいて、高見沢は黒革の鞭をふり降ろした。 ビシッと鋭い音が響き、背中に激烈な痛みが弾ける。 「あうっ!」 恋夜は、顔を歪めてのけぞった。 毎晩、今夜こそ声をあげまいと思うのだが、あまりの激痛に、つい声が漏れてしまう。 痛みにあえぎながら、恋夜は、高見沢はさぞ満足そうな顔をしているんだろうなと思った。 だが、すぐに、容赦なくふり降ろされる鞭の雨に、何も考えられなくなった。 目も眩む激痛だけが、恋夜の意識を支配していた。 「あっ!ああっ!!あうっ!!」 柔らかな栗色の髪をふり乱し、ほっそりした肢体をのたうたせて、恋夜は激しく身悶えた。 毎日、何十回も鋲のついた鞭で打たれているので、背中には抉られたような深い傷が無数に刻みこまれていた。 息をするのも辛いほど激しく疼く傷口を、さらに渾身の力をこめて鞭打たれるのだ。 その痛みといったらなかった。 一打ごとに恋夜の華奢な肢体が跳ね、手錠がきつく手首にくいこんだ。 「あうっ!!ああっ!!あっ……ああっ!!」 綺麗な顔を苦痛に歪め、白い喉をのけぞらせて、恋夜はもがいた。 激しいあえぎが、可憐な唇から漏れる。
/102ページ

最初のコメントを投稿しよう!