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「……あっ……うっ……!」
もがく力もなくして、恋夜が弱々しく身をよじるだけになると、高見沢はようやく鞭打つのをやめた。
だが、これで終わりではないことを、恋夜は知っていた。
息も絶え絶えにあえぎながら、今夜はどんな責め方をされるのだろうとぼんやり思う。
「今日はどんな風に可愛いがってほしい?言ってみろ、恋夜」
恋夜の髪を乱暴に鷲掴みにして、高見沢は嗜虐に酔った表情で苦痛にあえぐ白い美貌を覗きこんだ。
「……もう……やめ……」
無駄だと知りつつも、恋夜は激痛に霞む眼差しを高見沢に向けて懇願してみた。
案の定、高見沢は冷やかな微笑をふっと唇に刻み、残酷そうに瞳をきらめかせた。
「この程度で音をあげるのか。根性がなさ過ぎるぞ、恋夜。性根を叩き直してやる」
恋夜の哀訴は、高見沢に、その強い嗜虐性を存分に発揮する口実を与えただけだった。
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