第2章

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「僕らだと……?ほかにもいるのか……?」 ぴくりと眉を寄せて、碧は恋夜の言葉に過敏に反応した。 「そんな嫌そうな顔しないでよ。ずいぶん前に滅びたと思われてるようだけど、結構いるよ。《ブラック・デス・バレー》に集結している」 「《ブラック・デス・バレー》だと……?何を企んでいる……?」 サッと顔色を変えて叫ぶように言った碧の言葉を、恋夜はあっさり無視した。 表情を消して恋夜は、だいぶ明るさを増した空の彼方に視線を投げた。 「集結って言い方は、正しくないかも……《ブラック・デス・バレー》に逃げ込んだ生き残りが、妖樹に拾われたってとこ」 妖樹の名前を口にするたびに、恋夜の心に甘い痺れが走り、舌ももつれがちになる。 「妖樹?誰だ、それは……?」 「妖樹を知らないの?」 恋夜は、妖樹の正体を教えてやった。
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