第2章

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「無理に紅薔薇の城にしがみついてることないんじゃない?紅薔薇の連中だって、碧の素性を知ったら、碧のことを忌み嫌うよ、きっと」 「言いふらすつもりか、俺のこと、紅薔薇に……!」 碧の顔色が、変わる。 「まさか。そんなことしないよ。でもね、いくら碧が否定しても、碧の中には僕らと同じ血が流れている。クレイジー・ブルーの血がね。その血を正しく活用できるのは、妖樹だけだよ」 「だから仲間になれって言うのか?冗談じゃない!お断りだ!俺はおまえらとは違う」 憎々し気な表情で、碧はせせら笑った。 恋夜も、クスリと笑った。 相手を挑発するための微笑だった。 「知ってる?そういうの、目クソ鼻クソを笑うって言うんだよ」 「何だとっ!?」 案の定、碧はギッと恋夜を睨み、拳を胸の高さにかまえた。 こちらの予想通りの反応をしてくれるから、愉しい。
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