第2章

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「妖樹、なんて?」 「恋夜なんて大嫌いだ。早く死んでしまえ」 妖樹の口調を真似て、琴音は言った。 「嘘だっ!妖樹がそんなこと言うもんか!」 怒りに燃える目で、恋夜は琴音を睨みつけた。 こんな風に、人の心を弄ぶ琴音が大嫌いだった。 「すぐムキになる。面白いですね、恋夜は。からかい甲斐があります」 琴音は、おかしそうにクスクス笑った。 恋夜をいじめて愉しんでるのだ。 「本当はなんて言ったのさ?教えてよ」 すっかりふてくされて、恋夜はじろりと琴音を一瞥した。
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