429人が本棚に入れています
本棚に追加
「妖樹、なんて?」
「恋夜なんて大嫌いだ。早く死んでしまえ」
妖樹の口調を真似て、琴音は言った。
「嘘だっ!妖樹がそんなこと言うもんか!」
怒りに燃える目で、恋夜は琴音を睨みつけた。
こんな風に、人の心を弄ぶ琴音が大嫌いだった。
「すぐムキになる。面白いですね、恋夜は。からかい甲斐があります」
琴音は、おかしそうにクスクス笑った。
恋夜をいじめて愉しんでるのだ。
「本当はなんて言ったのさ?教えてよ」
すっかりふてくされて、恋夜はじろりと琴音を一瞥した。
最初のコメントを投稿しよう!