第2章

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「奴のことは無理するな。手に余るようなら琴音に任せろ、と妖樹様はおっしゃいました」 「……そう」 複雑な気分で、恋夜は長い睫を伏せた。 恋夜の身を案じて、妖樹がそう言ったのはわかる。 でも、恋夜だって、妖樹の役に立ちたかった。 妖樹のために、どうしても奴を捕まえたかった。 それも、自分ひとりの力で。 そして、妖樹に喜んでもらいたかった。 よくやったと褒めてもらいたかった。 ……なのに。 よりによって、大嫌いな琴音と協力しなければならないなんて……
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