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「奴のことは無理するな。手に余るようなら琴音に任せろ、と妖樹様はおっしゃいました」
「……そう」
複雑な気分で、恋夜は長い睫を伏せた。
恋夜の身を案じて、妖樹がそう言ったのはわかる。
でも、恋夜だって、妖樹の役に立ちたかった。
妖樹のために、どうしても奴を捕まえたかった。
それも、自分ひとりの力で。
そして、妖樹に喜んでもらいたかった。
よくやったと褒めてもらいたかった。
……なのに。
よりによって、大嫌いな琴音と協力しなければならないなんて……
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