第2章

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「どうしてそんな意地悪言うのさ!本当、根性悪いんだから!」 恋夜は、琴音に怒りをぶつけた。 傷ついた少年の顔を愉し気に眺め、琴音はねちねちと言葉を重ねた。 「事実を報告しただけです。恋夜は毎晩、あの男といやらしい真似をしてるじゃないですか。あの男にペット扱いされて喜んでるでしょう。もうすっかり汚れてしまいましたね、恋夜は。妖樹様も、恋夜のことなど嫌いになったと思いますよ。まあ、もともとクレイジー・ブルーになんぞたいして情はかけていなかったでしょうけれど。恋夜が犬のように尻尾をふってついてくるから、仕方なく相手をしてあげていただけですよ。妖樹様もお気の毒ですよね。こんな汚れたクレイジー・ブルーの男娼になつかれて……さぞ迷惑でしょうね」 「……妖樹は……妖樹は迷惑がってなんか……」 胸を抉る琴音の言葉に必死に抗いながら、恋夜は砕けそうな心を懸命に抱きしめて、あえぐように言った。
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