428人が本棚に入れています
本棚に追加
キィン!キィン!キィン!
たて続けの猛攻を、恋夜は巧みに受け流し、火花を散らした剣の残響がまだ消えぬうちに、果敢に身を躍らせて剣を一閃させた。
恋夜の得意の速効を、結空斗はたやすく受け流し、返す刃で恋夜の胴を払った。
キィン!
結空斗の剣を猛然とはねあげ、恋夜は深く踏み込んで袈裟掛けに斬りつけた。
かわす暇はないはずだった。
だが、結空斗の体は視界から消えていた。
次の刹那、右手から凄まじい速さで結空斗の剣が迫る。
キィン!
ほとんど本能的に、恋夜はその攻撃を受け流し、横に跳んだ。
しかし。
「うっ!」
着地した瞬間、激烈な痛みが背中を貫き、恋夜は顔を歪めてガクリと片膝をついた。
黒聖香の鎮痛作用が切れたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!