M.C.Last

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結局…、この日の残りの授業は中止。 急遽催された全校集会の終了後、下校となった。 俺はそのまま警察に連れて行かれ、事情聴取を受けたのだった。 午後3時、自室…。 「まさか…、校内で殺人なんて…。」 「しかも、発見者が真実だなんて…、冗談にしては強烈だな。」 気分が沈んでいた俺の為なのか…, お袋が、愛衣と希望を家に呼んでいた。 「残念ながら、洒落でも冗談でもない。  少なくとも当事者からすればな…。」 「ちゃんと授業を受けないから、こういう目に遭うのよ?」 …仰る通りで御座います。 「…真実、お前本気でヤバいぞ。」 いきなり、希望が真面目に話し出した。 「部活の先輩から聞いたんだけどな?  お前、かなりの人数に見られてるぞ。  しかも、凄い速度で噂が広まってる。  下手するとお前、明日から…、」 「…犯人扱いを受けるかもって事?」 …まるで自分の事であるかの様に、愛衣が青冷め、震えだした。 「…明日は休校になったんだよな?」 「うん…、外部犯の可能性もあるから、  明日1日だけは取り敢えず…。」 関係のない奴らからすれば、ラッキーだったのかもしれないが…、 事件の当事者である俺は、 明日も警察に行かなければならない。 「というか、学生は外出禁止だろ?」 「お前が心配だったんだよ!!」 希望が、大声で俺に怒鳴りつけた。 「私達、迷惑だったかな…?」 愛衣は愛衣で泣きそうになってるし…。 「いや…、そういう意味じゃなく、よくおばさんとかが許したなって。」 近くに殺人犯が居るかも知れないのだ。 外出禁止になっても不思議ではない。 「事情を話したら許してもらえたよ。  普通だったら無理なんだろうけど、  真実が巻き込まれたって説明したら、  父さんが車で送ってくれたよ。」 「私のお父さんとお母さんも同じ。  2人共、真実の事を心配してたよ?」 俺…、色々な人に迷惑掛けてるな…。 気を取り直して、しっかりしないと…。 「有り難うな、愛衣、希望…。  お前等と話してたら落ち着いた。」 俺は出来る限りの明るく、そう言った。 「そう思ってくれると嬉しいな…。」 「全く…、感謝しろよ真実?」 2人は、お袋が車で送る事になった。 「2人共、本当に有り難うな…。」 2人を乗せて去る車を見つめながら、俺は小さく…、そう呟いた…。
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