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あれから俺は、自分の持ってる体力をすべて使って、芦名の後を追いかけた。
・・・くそっ
こんなときに限って、何で教室が遠いんだよ!!
くじけそうになる自分を叱咤しながら、俺は教室まで走った
ガラッ!
「新谷君・・・」
「可那子さん!!」
やっとの思いで着いた教室のドアを勢いよく開けたそこには、おろおろした様子の可那子さんが立っていた。
「芦名はっ!?
っ芦名はどこに!!?」
「それが・・・」
「・・・っまじかよ!?」
可那子さんからあの後の事を聞いた俺は、自分が思っていたより芦名のことを傷つけたんだということに気づいた。
「・・・っ!!」
「ねぇ、新谷君・・・
あの後、何があったの・・・?」
・・・そうか。
可那子さんは、まだ何も知らないんだ・・・。
不安な様子で聞いてくる可那子さんに、自分を責めている場合じゃないと思った俺は、とりあえず、目の前で不安になっている可那子さんを落ち着かせようと、今まであったことを掻い摘んで説明した。
「・・・というわけなんだけど・・・」
バッチーン!!
「・・・っ!??
なにするんだよ!!?」
説明をし終わった直後、可那
子さんから強い平手打ちを食らった俺は、訳が分からず、食って掛かった。
「・・・のぶん・・・」
「え?なに・・・」
「今のはあっちゃんのぶん!!」
「なにいって・・・っ!?」
いきなり芦名の分とか言われてぶたれた俺は、正直すごくむかついていた。
が、可那子さんが目に涙をためながら、必死になっている姿を見た俺は、怒りなんてどこかへ消え去ってしまっていた。
「可那子さん・・・」
「新谷君っ!さいってーー!!
あっちゃんは優しすぎるから、人をぶてないの!
だから・・・っだからあたしが代わりにぶったの!
わかった!?」
「・・・」
「分かったら、早くあっちゃんを追いかけて!!」
ドンッ!
「わかったよ・・・
行ってくる!!」
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