C.I.3rd

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C.I.3rd

確かに…、希望のいう事は尤もだ。 俺が予め記していた事も、愛衣が集めてきた噂話の中にあった。 あの時、近くに生徒は居なかった。 ここまで詳細な噂話があるだろうか? …その時、1つの仮説を閃いた。 「希望のお陰で、容疑者が絞れた。」 「…へっ?俺なんか言ったか?」 もし、これらの噂を流したの奴が、事件の詳細を知る人物だとすれば…。 それは俺を除いて…、5人しかいない。 「俺の仮説が正しければ,犯人は教師だ。」 「そんな!?先生が生徒を殺すなんて!?」 …それだけではない。 俺が保健室に居た事を知る教師は…、 「俺が疑わしいと思ってるのは、  九条先生かナナちゃん先生だ…。」 「おいおい、九条先生は兎も角…。  ナナちゃん先生は担任だぜ?」 「担任だからこそ、  俺が保健室に居た事を知っている。」 愛衣はすっかり黙り込んでしまった。 「真実…、詳しく聞かせろよ。  ナナちゃん先生を疑う理由。」 「まずはお前が言っていた噂の話だ。  あの時の状況的に考えて、  生徒が事件の詳細を知る事は難しいが、  それにしては噂が正確が過ぎる…。  恐らく、犯人が流したと考えられる。」 「でも…、そんな事をして、 犯人に何のメリットがあるの?」 「可能性としては…、印象操作。  俺への悪評の信憑性を高める事か。  虚実を織り交ぜる事によって…、」 「噂全体を本当だと思わせるってか?」 「推測の域を脱しないがな…。  そしてそれが出来る程、  事件の詳細を知る人物は、  警察から聴取を受けた5人…、  ナナちゃん先生、九条先生、立原、  それと校長と教頭だけだ。  そしてこの中で…、  俺が保健室に居た事を知ってるのは、  ナナちゃん先生と九条先生だけ…。」 「九条先生はどうなんだ?  ぶっちゃけ1番怪しいだろ?」 …ホワイトボードへの書き込み。 確かに九条先生なら、容易に可能だ。 「どちらも疑いたくないのは確かだが、  今はこれしか手掛かりがない。  明日…、2人に話を聞きに行く。」 「怒られるのを覚悟しないとな。」 …それは考えてなかった。 生徒が事件の事を嗅ぎ回ってたら…、普通に考えてお説教は確実だな…。 「念の為…、愛衣は来るな。  面倒な事になりかねないからな。」
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