第八章 『告  白』

24/41
前へ
/427ページ
次へ
. 「身体のことは分かった。そして問題なんて何もない」 キッパリとそう告げた樹利に、可愛は小刻みに震えながら顔を上げた。 「この話はこれでおしまい。 これ以上続けられたら、俺の体内の水分がなくなって干上がるよ」 クスリと笑って額を合わせた樹利に可愛は涙を浮かべながら目を細めた。 「にしても、お互い、涙まみれのひでぇ顔なんだろうな」 小さく笑う樹利に、可愛は首を振った。 「樹利は……ひどい顔なんてことないよ。泣いてても素敵」 「そういう可愛はかわいいよ」 互いに顔を見合わせ微笑みあい、そして二人はベッドに腰を掛け、脱力したように壁にもたれた。
/427ページ

最初のコメントを投稿しよう!

23771人が本棚に入れています
本棚に追加