第八章 『告  白』

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. ねえ、樹利。 すべてを打ち明けるとき、どんな目で見られるのか、どんな責めるような言葉を突きつけられるのか、本当は怖くてたまらなかった。 だけどあなたは私の過去も今も全部受け止めて、包んでくれたんだ。 私の為に流してくれた涙を、私は生涯忘れはしない。 救われたんだ、本当に。 ありがとう、樹利。 私も、あなたのように、すべてを包み込むような大きな人になりたい。 「可愛……」 そっと重なる唇に、絡み合う指。 何度もキスをして、その胸に頬を寄せた。
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