第八章 『告  白』

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『樹利、どうしたの?』 『やあ、ミシェル』 この人がミシェルさん。 すごく綺麗な人! 可愛は、ミシェルを見上げて息を呑んだ。 美しい金髪に澄んだ白い肌に、青い瞳が美しく、整った顔立ちながらも、かわいらしさもある女性だった。 まさしくフランス美人って感じ。 呆けたように口を開けている可愛の姿に、ミシェルは眉をひそめた。 『こちらは?』 『妻の可愛だよ』 その言葉に、ミシェルは目を丸くした。 『え?こんな子供と……若い子と結婚したの?』 『あ、あの、私は23歳です』 可愛が慌てて答えると、ミシェルは驚きの表情を見せた。 『23歳? ごめんなさい……日本人の齢はよく分からないわね』 ミシェルはクスクス笑い、横目で樹利を見た。 『で、夫婦ラブラブな姿を私に見せに来たわけ?あなたって結構、イヤな男ね』 『そんなつもりはないけど……』 『冗談よ、あなたが来たらこの子も喜ぶし嬉しいわ。 今、学校が休みなのに、どこも連れて行ってやれずにいてね』 とミシェルはパリスの頭を撫でた。
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