23765人が本棚に入れています
本棚に追加
『いいんだよ、ママ。
僕は撮影を見るのが楽しいから。将来の勉強になるし』
そう言うパリスに、可愛は『将来?』と小首を傾げ、
『あ、そうか……デザイナーになりたいのよね』
と納得したように頷いた。
『はい、そしていつか樹利さんに教えてもらいに日本にも行きたいです』
そう言って目を輝かせるパリスに、可愛は微笑んだ。
『私達はいつでも待っているわ、パリス君』
可愛はそう言って『そうだ』とバッグから個人用の名刺を取り出した。
『これ、私のメールアドレスなの。お手紙感覚でメールちょうだいね』
『ありがとう、可愛さん』
パリスはそう言ってギュッと抱き着いてきた。
幼い腕に愛らしさを感じ、可愛は優しく目を細めた。
その後、広場でしばしパリスと戯れ、時間が押し迫って来たので、二人はパリスとミシェルに別れを告げその場を離れた。
最初のコメントを投稿しよう!