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「うん、なんか久々に泣いたよ。しかも結局、一睡もしてないな」
そう言って苦笑した樹利に、可愛も「うん」と頷いた。
「そうだね、結局寝なかったね」
リオンは複雑な表情を浮かべつつ、頬を赤らめた。
「な、泣くほど別れを惜しみながら、一睡もせずに愛し合うってどれだけ情熱的な夫婦ですか。
ハッキリ言って横で聞いてるこっちが恥ずかしいですよ」
「いや、そんなっ、一晩中愛し合ってたなんて、そんなんじゃなくて、ただ、お喋りをしててね……」
慌てて声を上げる可愛に、樹利は「でも」と腕を組んだ。
「お喋りだけじゃ……」
「もーっ、樹利は黙って!」
そんな二人の様子に、皆は声を上げて笑った。
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