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やがてスタッフ達がマイクロバスに乗り込んでいく中、可愛はそっと樹利を見上げた。
「ここで、一時お別れだね」
「ああ、気をつけて」
二人が見詰め合っていると、リオンやスタッフ達が窓から顔を出した。
「また、濃厚なキスしてもいいですよ」
「そうそう、私達免疫がついたし」
「ちょっと見たい気もします」
そんな皆に、可愛は耳まで真っ赤になった。
「や、やめてくださいよ、そんな露出趣味はないです」
「それじゃあ、遠慮なく」
ニッと笑って肩に手を乗せた樹利に、可愛は目を丸くした。
「わっ、駄目だよ、みんなの前では」
樹利は優しく微笑んで、額にキスを落とした。
「きゃあん、イイ男の生デコチュー」
まるで映画のワンシーンのような姿に、女性スタッフ達は見惚れてウットリと手を組んだ。
樹利はそっと唇を離して可愛を真っ直ぐに見詰めた。
「あと、三か月。お互いがんばろうな」
「うん、樹利の帰国、楽しみに待ってるね」
二人はしっかりと握手をして、手を振り別れた。
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