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言われた通りリンゴとオレンジを詰めたあと、ジャガイモをストッカーに押し込んでいたが問題が発生した。
「入らん。」
「どれがだ。」
「ジャガイモ。」
「あー…、ルイーザ。ジャガイモはどこに置いとくか?」
「袋に詰めて床下にお願いいたします。」
手際よく料理を作りながらマリクの問いに答える。
「だそうだ。入らなかった分はさっきの袋に戻してこっちに持ってこい。」
野菜ストッカーが問題なく開け閉めできるレベルまで無理やり詰め込んだジャガイモを抜いていく。そんな自分の横にいつの間にかマリクの上から降りたらしい娘さんが来ていて、一緒になってジャガイモを出そうと四苦八苦している。小さな手が両手でジャガイモを掴む。
「あい。」
満面の笑顔でこちらにジャガイモを差し出してくる。
「あ、ありがと。」
まさかこんな交流があると思わなかった。テンパって多少どもってしまったが娘さんは気にすることもなく、またジャガイモをべたべたと触っている。
その後も一個ずつジャガイモを掴んでは自分に渡してくれる。可愛いがちょっとばかりせからしい。
娘さんとジャガイモを詰めてマリクに渡せば、手荒く奪い取られた。
「ぱぁぱ、めっ。」
マリクのその態度を娘さんがたしなめる。自分のズボンを握ったまま。
「ごめんね、アリア。パパ、アリアが一緒にいてくれないと寂しいなー。」
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