35人が本棚に入れています
本棚に追加
「…………」
気付いた時には、既に充は流香の方を向いて深い眠りについていた。
★
朝。
「…………」
窓から大量の光が差し込む中、充は静かに眠っていた。
しかし、静かに眠れるのもこれで終了。
「ミツー、朝だよ?そろそろ起きよ?」
「ん……んん……」
突然の声に充はゆっくりと目を開ける。
そこにはエプロン姿の流香が立っていた。
「おはよう」
流香は笑顔で充に挨拶をする。
「……ああ……おはよう……」
充は返すと、あくびをする。
「朝ご飯もう出来てるから、着替えたらすぐに食べてね」
流香はそう言うと、充がさっきまで眠っていた寝室を後にした。
「ああ……眠い……」
1人だけになった充はぼそりと呟くと、スーツに着替え始める。
尾崎充、24歳。
流香と付き合い始めた後、すぐに自分の思いを全て告白してプロポーズ。
彼女も笑顔で頷き、以後2人は入籍した。
今では会社に勤めており、我が家の大黒柱だ。
「…………」
充はネクタイを締めながら、ふと時計を見る。
時刻は丁度8時を指していた。
8時……!?
充は時計を見た後、すぐに居間へと向かう。
居間では流香がテーブルに料理を並べていた。
最初のコメントを投稿しよう!