第2話 国の事を思うのなら

1/4
前へ
/1126ページ
次へ

第2話 国の事を思うのなら

国際警察本部。 そこにある会議室では、複数の上層部を相手に1人の青年が意見を述べていた。 「……以上により、私は新たなネイチャーズの加入を強く希望します」 青年の言葉に、上層部達は顎に手を当てて考え始める。 しかし、1人だけ彼の意見に反対する者がいた。 「長官、私は反対です。1人をネイチャーズにするのに、莫大な費用がかかる。ただでさえ日本は借金大国だ。これ以上借金を作ってしまったら、国民の信頼にも関わる事になりますよ……!」 その男の意見を聞いて、また1人の男が呟く。 「……しかし、そのネイチャーズのおかげで日本の犯罪率が8割低下したのも事実だ……。出来るだけ全国にネイチャーズを配属させて、犯罪を完全に消し去る方が国の為になるのかもしれない……」 その後、青年はその男の言葉に続くように、反対の男に言う。 「それにご安心ください。確かに、最初はネイチャーズを生み出すのに莫大な費用がかかってしまった。でもそれは長年の研究があったからです。しかも今は科学技術も進んで、手軽とまではいきませんが、昔よりも費用は全然かかりません。本当に国の事を思うのなら、1人でもネイチャーズを増やして、犯罪をなくす事だと私は思います」 「……国の事を思うのなら……1人でもネイチャーズを増やす……だと……?」 すると男が言った後、勢いよく椅子から立ち上がり、青年を睨み付ける。
/1126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加