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プロローグ
誰も立ち入らないような山の奥に1ヶ所だけ、瓦礫と化した建物の姿があった。
黒焦げの後から分かる通り、おそらく原因は建物内での大爆発。
ここはかつて、世界を変えようとした組織のアジトだった。
しかし、国際警察の手によってその計画は打ち砕かれ、今はこんな有り様だ。
「何とも……醜い……醜すぎる……」
男は瓦礫の真ん中に立って呟く。
今この瞬間、その場に2人の男が足を踏み入れていた。
呟いた方の男は長身で少し体格の良い中年で、黒い軍服のようなものを着こなしている。
そして、もう一方の男は……。
「マスター……。瓦礫中に散らばっていた、脳と思わしき微粒子を全て、確保しました」
もう一方の男は中年の男に言う。
背は高めだが中年の男程ではなく、体格も対照的に痩せている。
そしてフレームのあまり目立たない眼鏡をかけており、白衣を身にまとっていた。
「ご苦労だった。全て回収し終えたのならもうここにいる必要はない。我々は去るとしよう」
「はい」
そして2人はその瓦礫から立ち去った。
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