働かざる者食うべからず

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けどオレはそいつの生き方には尊敬の念を抱いていた 誰かの為にとか 愛や正義、友情などという感情を超えた 自己利潤のための人助け 自分が可愛いが故に周りの人間を助ける 平和を謳いながら兵器を売り飛ばす連中よりよっぽど良い 自分のためとなると人間能動的にもなるし真剣にもなる 実際、奴にはたくさんの友がいたし そいつらは揃って奴をいい奴と評価し 誰も奴を疎ましく思うことはなかった そいつのそんな存在の仕方にオレは感銘を受けた 孤高によって平和を勝ち取ったオレとは違う まるで光の世界にいるような 皆そろってお花畑で戯れる奴を 誰もいない孤島から眺めてあるような心境だった
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