働かざる者食うべからず

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もちろん本人に声をかける勇者も存在した ちょっとした広場のベンチに腰掛け昼飯を食べていたオレ達に 見知らぬ若者達が一緒にどうと誘いをかける 由岐は沈黙で返し オレに断らせようとするので仕方なくオレが詫びをいれると 不機嫌そうに帰っていく人間と うるせぇ黙ってろと睨んでくる人間の二通り 前者は事なく平和に済む素晴らしいルートだが 後者はいただけない しつこく彼女に言い寄る連中は由岐に蹴り飛ばされて悶絶 その後、由岐が馴染みにしている屋台のおっちゃん連中が彼らを引き取り私刑 怪我人はもれなく大衆にさらされ 診療所は儲かるし役所がでばる この恐るべき悪循環のおかげか由岐に声をかける勇者はこの一ヶ月で一気に減った
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