働かざる者食うべからず

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「おかえり、香辛料があったんで作ってみた。自信はないがそれなりのデキだと自負している」 この世界には元の世界と同じ物の名前は一切ない おかげで目利きのきかないオレはこと食材探しにおいて役立たずだ 台所で鍋をかき回している由岐はそこらはさすが女子 まさか香辛料を見極めカレーを作るとは 魚料理ならオレもできるんですけどね 「荷物置いたら皿を出しておいてくれ。手洗いをしてからだぞ」 「由岐はオレの母ちゃんか」 「言わないとしないからだ。小学生かお前は」 「うわひでぇ」 些細なやり取りをしながら手洗いうがいをやり ついでに顔も洗って(なんの意味もない)再び居間に戻る 居間では既に由岐が全ての手筈を整えて座っている 準備を手伝う暇もなかった
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