働かざる者食うべからず

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どこからか 明らかに確定した勝利に酔ったのか 一本の矢が飛んできた 正確にオレを捉えた軌道 それをオレはなんなく掴み捕る 人間側から笑い声が上がった 完全な嘲笑 もはや彼らはオレを恐怖の魔王と視ていない これから起こる公開殺人ショーの生け贄だ それがあの強大な魔王だったのだから笑わずにはいられない オレは今度は違う温度の笑みを浮かべて その身に猛る魔力を解放 声にならない叫び声をあげながら 狂気の笑い声を響かせる さぁ殺そう 血糊で性能はおちているかもしれないが それを溶かす熱い血で洗い流そう この包み込むような紅い母を もう一度蘇らせろ オレの至福はここしかない オレの悦びはここしかない 殺し合いでしか笑えない オレの唯一の楽園
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