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「はいお帰り、お仕事ご苦労さん。おや、そっちの娘はさっき見なかったね」
忙しく飛び回る給仕さんのうち
契約の際に便宜を計らってくれた女性が注文を取りに来た
話口調はまるで歴戦の母のようだがこれでもまだオレ達より二つ三つ上なだけ
長い赤毛を後ろで束ね
ほんのりそばかすがかった顔はそれはそれで魅力がある
「すいませんどうやら迷子らしくて、親も見つからなかったので今日は自分達が保護することになりました。料金はちゃんと支払います」
「いいよそんなの、迷子なんでしょ。初めにちょいと色付けて貰ってるからね」
この給仕、一介の雇われの立場にしてこの店を完全に制圧しているのである
契約時に部屋が空いてるかどうかで店の主人を顎で使ったときは
由岐共々驚いたものだ
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