第2話 恐怖への序曲

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 充と菊正は幸運にも同じクラスだ。充は普段から半分寝ているが、今日は完璧に眠っている。微かな寝息を立てて……スヤスヤ眠っている。 『あー爆睡した!』 授業の終りを告げる15分前に高価な腕時計のアラーム鳴った途端に充は跳ね起きた。 後15分しか授業時間が無いな……全開でノートを取らないと!! 苦手な教科だからな。 必死にノートを取りる表情に遊びは無かった。この顔は好きな人と恐る人が別れる。終え安心していると、その時、充の携帯が光っていた。 メールが来ているみたいだ。 気になったけど、ノートを埋めるのが優先事項だった。 優先順位を決めて行動する。 どっかの偉い人の言葉だ。 常にそれを考えていると、無駄な時間や、無駄な行動をしなくて済むんだ。 授業が終わって昼休みに入って。 メールを見てみる事にした。 受信メール121!? 中身を見て更に驚く事になった。 「どうした? 顔色が悪いぞ? 真っ青だ!」 菊正宗が、心配そうに俺の顔を見ていた。 更に俺の顔が冷たくなって行く。 体温も下がって来て日差しが強い真夏なのに寒くて震えて来た。背中に太陽の光を浴びても気休めにもならない。中庭の広場のベンチで充の背中は小刻みに震えていた。
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