第2話 恐怖への序曲

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 何だって言うんだよ……見きれない。 先ずは先に質問広場の回答を見てみよう。 観覧742……回答212……こんなに行く事があるのか? 上から順に見て行こう!! 「おいどうした? 俺にも見せてくれ!」 菊正宗が充の頬に軽く触れる距離に顔を持って来て二人で携帯の画面を凝視する。 『悪い菊正。自分で見てくれ。質問広場で、失踪事件で検索したら俺のトピがある!』 そう言うと菊正は自分の携帯を真剣な表情で操作した。 「わかった――――なんだこれ!?」 菊正の様子がおかしい。驚きと言うより狼狽している。今にも感情が爆発しそうだ。 『凄いだろ!?』 菊正宗は、黙って携帯を見入っている。 俺も詳しく見てみる事にした。 その中で、コメント80投票50以上の人が気になった。 [私の妹が失踪しました。私はとなりの部屋で寝ていたのですが、妹の悲鳴を聞いて隣の部屋に行ってみると……………妹が何処にもいなかったんです! 貴方が言っているのは、妹の事ですか? それとも、妹の他にも被害者がいるのですか? 連絡待っています!]  俺はその女の子のプロフに行ってミニメを送った。 『質問広場の回答ありがとうございました。その女の子の名前は、リンゴです。 妹さんと同じハンネですか?』 これでいい……後は、他の人のコメントも見てみよう……。 [単なる家出じゃねえ?] 間抜けな回答に充の表情が怒りに変わる。この顔を見れば誰もが一目置く事だろう。 そんな訳があるか! 隣にいて駆け付けたのに何処かに消える筈がない!! 怒が湧いて来たので、弁当を食べて気分を変える事にした。 充は固まったまま携帯に熱中している菊正を気づかいながらも弁当を食べ始めた。一瞬で食べてしまうと再度携帯を操作し始めた。
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