第2話 恐怖への序曲

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 また寒気がする……鳥肌が立って来た。 『菊正聞いてみるぞ』 充は菊正の携帯電話の伝言を聞く体制に入った。その表情は恐怖の色が隠せない。 「頼む俺は無理だ」 菊正はすがる様な表情で充を見つめた。 『わかった任せてくれよ!』 恐いけど……友達の為だ。 頑張らないと。 [菊ちゃん~。何か変な空気なの【ピシ!】変な音も聞こえるの。 怖いから、今からそっちに行くね! 怖いなぁ……今日は何でこんな寒いの?] 【ソレハ……ブツ!】 なにぃ!? 何でもこんな中途半端な所で! でも最後の所に変な声が入っていた。 低い女性の声でソレハ……と。 でも、もう一回聞く勇気が無かった。 まだ心臓が破裂しそうなくらいに激しく動いている。 あの声を聞いた時は、心臓を握られた感覚で潰れるかと思った。 『菊正。お前の彼女は、変な音がして、怖くてお前に会いに来る筈だったんだ……』 「そっか……俺に会い……何で俺はあの時に気がつかなかったんだ。変な予感がしたのに……ああ~!!」 どう励ませばいいのだろう? これで行くか!! 『菊正……お前の彼女は生きている。俺の勘がそう言ったんだ!』 充は菊正の肩を掴み熱心に励ました。 「お前の勘は外れた事が無いもんな。信じるよ!」 菊正は元気な表情に戻り充の手を強く握りしめた。 頑張るしかねえ。嘘をついた事は嫌だけど、俺は信じる嘘なら本当にしてしまえばいいんだ!  充は強い意思を込めた瞳で空を見つめると、力強く校舎に向かって歩み出した。その後に菊正もついて行った。
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