第2話 恐怖への序曲

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 最近いきなり放置する仲のよかったモバ友達がいる。 伝言板もストップしている……。 そう日記に書いてため息をつくこの人物の名前は神尾充。 名前の通り過去は名門の一族の末裔だ。 その女の子は、モバをこよなく愛する人だから、こんなに放置する何て初めての事だった。 今日も充はベットの上に寝ころんで考え事をしている。  それに、放置する時は放置すると日記に書いてから放置をする、モバ友思いの女の子なのに……一体どうしたんだろう? 充は消えた林檎を心配しているらしい。 年は離れているが、同じ高校生だから彼は18歳になったばかり。  普段は、返事がないと忙しいのかなと思って気長に返事を待っていたけど……。 今日は何故か胸がざわめくんだ……。 悪い予感がした……昔からこんな気持になった時は必ず嫌な事があったんだ。 充は昔から勘がいい方で予知夢を見ていた。 友達の菊正を電車の事故から救った経験がある。  彼女は、伝言板を整理するタイプだったが、レスがそのまま放置されていた。 彼女が、見ていない証拠だった。 充はわかっていても不安て行動せずにはいられない。  彼女の友達の足跡だけが頻繁に入れ代わっていた。 その中に恐怖の元凶も混ざっている事を充は知るよしもない。  会話をしているのかと、何回も足を運んでみたが、会話をしている形跡はなかった。 彼女の伝言版は増える一方読んだら消すタイプなのに。  彼女の友達皆も心配しているんだな……と思って、自分のページで日記を書く事にしたんだ。 充の日記は人気がある。何故なら甲子園に出場した経験があるのだから。  彼女の好きなアーティストの日記を書けば、コメントをくれるかも知れないと思って……。 だが、返事はもちろん無かった。充は酷く落胆の表情を見せた。  マイプロフィールに戻ると、知らない人からの伝言が残されていた。 それが、形は違えど充にとって不幸の始まりだった。 僕は、この時……必死に彼女を探していた。 この時から僕達の運命は、変えられない方向へと舵を切っていたのだろう。 地獄に向けて、まっしぐらに。
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