第2話 恐怖への序曲

43/49
前へ
/567ページ
次へ
菊正は、3個奥の部屋に来ていた。 俺が何処の部屋にいるのか分からないようだ。 無理もない……部屋の電気は消えていたのだから。 俺は、菊正宗に向かって声を出すが、彼は隣の部屋に入ろうとした。 『菊正宗~! こっちだ早ーく!』 俺の背中に寒気が走った。 俺はその気配から逃れる為に菊正宗の元へ駆けて行った。 「誰が菊正宗だ~! 俺は酒は飲めん!」 はいはい! すみませんでしたっと。 これで、戦える! キツイけど、綺麗なお姉さん有難う!! 『さあ来い! 変態出会い房!!』 菊正宗から、小さくて宝石で装飾された小刀を受け取る俺。 武器を得た俺は俄然強気だ。 迷惑を掛けた女の子達と、汚された女の子の為に、お前はこの世界にとどまってはいけないんだよ~!! 【助けて~!!】 『情けない奴……そんな根性じゃ……女の子にモテない筈だ!!』 刀で、思いきり切った。罪悪感はない。 変態中年の体から、黒い霧が出ていた。 切口から、更に出ている。黒い霧は、霊体の血液と呼べる存在かも知れない。 『これは、お前の迷惑なミニメに苦しんだ人のぶんだ!』 俺は叫びながら、更に追撃する。 【ギャワ~! 体が~!】 更に切りつけた! 『これは、お前が汚した女の子の恨みだ!』 これが、トドメになり黒い霧が、白い霧になって散布した。 それを、黒い影が地面に引きずり込んだ。 【お兄ちゃん凄いね~! あんなに邪悪な悪霊をやっつけちゃった~!!】 女の子の霊が俺に飛びついて来た。 辺りの電灯が、暗くなった。 幽霊には、電気を消す力がある様だ。 「何があったの!?」  かなりの大声を出してしまったので、回りの人が部屋から出て来てしまった。
/567ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12668人が本棚に入れています
本棚に追加