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菊正は、3個奥の部屋に来ていた。
俺が何処の部屋にいるのか分からないようだ。
無理もない……部屋の電気は消えていたのだから。
俺は、菊正宗に向かって声を出すが、彼は隣の部屋に入ろうとした。
『菊正宗~! こっちだ早ーく!』
俺の背中に寒気が走った。
俺はその気配から逃れる為に菊正宗の元へ駆けて行った。
「誰が菊正宗だ~! 俺は酒は飲めん!」
はいはい! すみませんでしたっと。
これで、戦える!
キツイけど、綺麗なお姉さん有難う!!
『さあ来い! 変態出会い房!!』
菊正宗から、小さくて宝石で装飾された小刀を受け取る俺。
武器を得た俺は俄然強気だ。
迷惑を掛けた女の子達と、汚された女の子の為に、お前はこの世界にとどまってはいけないんだよ~!!
【助けて~!!】
『情けない奴……そんな根性じゃ……女の子にモテない筈だ!!』
刀で、思いきり切った。罪悪感はない。
変態中年の体から、黒い霧が出ていた。
切口から、更に出ている。黒い霧は、霊体の血液と呼べる存在かも知れない。
『これは、お前の迷惑なミニメに苦しんだ人のぶんだ!』
俺は叫びながら、更に追撃する。
【ギャワ~! 体が~!】
更に切りつけた!
『これは、お前が汚した女の子の恨みだ!』
これが、トドメになり黒い霧が、白い霧になって散布した。
それを、黒い影が地面に引きずり込んだ。
【お兄ちゃん凄いね~! あんなに邪悪な悪霊をやっつけちゃった~!!】
女の子の霊が俺に飛びついて来た。
辺りの電灯が、暗くなった。
幽霊には、電気を消す力がある様だ。
「何があったの!?」
かなりの大声を出してしまったので、回りの人が部屋から出て来てしまった。
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