第2話 恐怖への序曲

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 こんなに立て続けに襲われて疲れ果てた。 こんな日々が続くなら、今すぐこの命を奪ってくれ。 もう寒いのも、怖いのも、心臓が麻痺しそうになるのを必死に動かすのも嫌だ。 【パキィ……パキィン……バギィ!】 横の部屋から、今までで一番大きなラップ音が聞こえた。 その後で、冷たい腕が俺の首をガッチリ掴んだ。 触れただけで、わかる人間の首などネジ切る事が可能な力だ。 強い霊には、それくらいの芸当は容易な事だ。 死を覚悟しても、俺の心臓は、止まるまいと必死に動いては、鈍くなる動きを繰り返した。 それでも、心臓の活動が鈍くなって行くのは止まらない。
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