第2話 恐怖への序曲

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 そう言えば……初めてのモバ友と約束してたな……。 貰ったバトンを今日やるって。 俺は、彼女にどう思われているんだろう。 せめて……最後に………… 【ズイフン潔ヨイのね……死ぬのが怖くナイノ?】 『……怖いさ! でもこれで、霊に襲われたのは、4回目なんだ……ほとんど眠っていない……俺は疲れたんだよー!』 【フッフフ……確かに霊には人気の出るタイプね……安心して? 頭を1回転させるダケにしてアゲルカラ……痛いのは、一瞬ヨ? 最後ニナニガしたいの?】 最後に……。 『最後に…………最後に!! 最初に出来たモバ友達に、さよならを言いたい!!』 【助けてトカ言わないんダ!? キミって面白いカモ……でもその願いは叶いませんでした~! ヒャヒャア~! 男なんて死ねばいいのよ~! 汚らわしい!!】  耳元でヒステリックな声が響いた。 耳がおかしい。 俺の首が右に回って行く。 菊正宗と、霊の女の子が、ブルブル震えていた。 俺は、このまま、幽霊よりも凶悪な存在の、肉体を持った怨体と呼ばれるより強い怨念を持った女に、殺されるんだ。 このまま、首を右方向に、一回転されて。 皆……今まで有難う……楽しかったよ。 さようなら。
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