第2話 恐怖への序曲

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 指が震えて……見れない……丁度首が後ろに回っていて、助かったな……怨体にバレずに、携帯がイジられる。 お別れだけでも……言わ……ないと。 【誰からデンワ? いい度胸ね……デモ見てミタイわ】 そう怨体が言うと、携帯を俺から取り上げた。 やめろ……俺の携帯返せ……返してくれ! 返してくれる筈もないが。 《キャー!? 携帯が勝手に空に浮いてる!》 野次馬の叫びを聞くと首の神経が酷く痛んだ……黙ってくれ。 どうせ……見ているだけだろう? ぐう! 首を前に戻そうとしたら、既に首が回らなくなっていた。 もう助からない。 その時、肩に寒気を感じた。 【送って貰ったバトンをやったのですが、ノーコメントは悲しいですね。ダッテサ返信はどうする? 私がカワリに打ってアゲル!】 首も回らない俺に他に選択肢は無かった。 俺を殺した奴から、お別れのメールを送って貰うのは、嫌だけど仕方ない。 誰かに代わりに……この事件を解決して貰う為にはこのままでは、いけないけど。 俺は無力にも、ここで死ぬ。
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