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マイプロフに危機迫る伝言が残されていた。
充の顔に嫌な冷たい汗が流れる。
「助けて小太郎さん何か怖いです! 寒気がします!」
充は背中を震わせ携帯をただ呆然と見つめている。
俺も寒気がするよ……でも、もっと明確に言って貰わないとわからない!
充は苛立ちを抑える事が出来ずに部屋を行ったり来たりした。こんなに落ち着きのない充を見たらクラスの隠れファンが幻滅するかも知れない。
とりあえず……寒気がするのなら、アレがいるな……間違いないな。
そうあれだ。充は霊感もが鋭く度々霊に遭遇していてこの蛇に絡みつかれたような感覚には慣れている。
『部屋の四隅に盛り塩をするんだ! 自分で取りに行くのが怖いのなら、親に頼むんだ!』
充は珍しく熱くなってコメントの内容を口に出してしまっている。
これで、大丈夫な筈だが……。
だが、充の表情から不安の色は消えない。
日記をチラミして、直ぐに自分のプロフに戻った。
まだか……このタイムラグがもどかしい。
充は更に苛立ちを募らせる。
緊急事態ならミニメを送ってくれれば良いのにな……。
【ピリリリ! ピリリリ!】
充は飛びつく様に携帯を取ると、けたたましくミニメの内容を読んだ。
ミニメが来た。彼からだ……なんだって!?
既に充の顔色は真っ青だった。
その内容を見て背中に冷たい物が通り抜けた……遅れて鳥肌が立ってきた。
とんでもない事が起きているらしい……。
しかも……俺のすぐ近くで……。
彼は俺と同じ県に住んでいる。
同じ県に住む仲間が、大変な目にあっているのに俺は無力だ。
住所さえわかっていたなら……。
充は自分の無力さに呆れ枕を何回も殴りつけた。
その時、部屋の隙間から冷たい風が流れているのを充は気がつかなかった。
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