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しかし、幽霊でしかも変態とは……たちが悪いなぁー。
さすがに私でも無理です。
助けてお兄さん。
ヒーローみたいに!
【この人が嫌がっているのがわからないのか? 出て行けよ!】
「そうよ! 出て行ってよ。気持悪い!!」
本当に気持悪い顔……アニメでも悪役ね……お金持ちのボンボンって所ですかなぁ。
【何で俺をバカにするんだ~! 成績優秀で顔も、そっちの男よりもいいのに……わかった~! 照れているんだね?】
……うわ~! 頭が痛い人だわ。
自分がカッコイイと思っているの?
確かに普通に整った顔をしているけど、目が爬虫類の様に気持悪い……。
「うえ~!!」
思わず吐き気が……キモすぎです。
【吐く程キモイんだって早く帰ったら?】
そうだ! もっと言って下さいませ~!
【ウアア~!】
うわ! キレた……更に嫌な顔になってしまった。
今までも、顔を作っていたのね……。
これが本性……。
カッコイイお兄さんがストーカーの幽霊を押さえてくれた。
【大変だ。こんなザコとは段違いの霊が、俺達の気配に気がついた。霊は引かれ合うんだ。早く逃げろ!!】
「は……はい!」
私は、家から全速力で逃げ出した。
体から、鳥肌が一気に立ち上がった!
寒い! 誰か助けて!
でも、誰もいない……カッコイイお兄さんも守ってくれない。
私はお寺に向かって走り出した。
時刻は2時ジャスト。
後ろを振り返ると、家の前に黒いモヤがいた。
塩のお陰で家に入れないのか、二回の窓に向かった。
私だけ逃げてもいいの!?
でも私は無力だ。
お坊さんしか!!
助けられない!!
待っててお兄さん!!
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