第2話 恐怖への序曲

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 間に合わなかった……まるで、心霊現状じゃないか! メールの内容を読み返してみた。 「すみません……友達希望を了承するべきではありませんでしたね……軽率でした……俺は霊感が強いのでわかります。 念仏も御払いも効かない可哀想な霊に狙われていると……。 そして俺も助からない事も……小太郎さんも気をつけて下さい。ソイツの名」  途中で文字がキレてしまっていた……間に合わなかったのか……良い人だったのに! でも、充は諦めきれないのか、再度メールをしてみた。 『諦めてはダメだ! 心から、神様に助けを求めて祈ってみるんだ! 後、幽霊! 俺の友達に手を出すな! 消え失せろ!』 渾身の力を込めてメールを送った最後の文章は、勢いで勝手に打ってしまった。 既に手遅れだと言うのに……でも熱くなった血は黙ってはいられなかった。 怒って俺の元に来るかもな!! そう思って、部屋の四隅に盛り塩をして、手には十字架を持って、家は大陸から来た陰陽師を信じているのに見事に宗教がバラバラだな。 こんなんじゃダメだよな……複数の神を信じちゃいけないらしいし。 目を閉じて静かにメールの返事を待っていた。 30分経過しても、返事は無かった……。 充は自分の無力さに酷く落胆して綺麗に掃除されたフローリングの床に崩れ落ちた。
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