第一章 千年後の神(?)

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俺の名前は遠藤友也(エンドウトモヤ)、十五歳。 俺は今日から私立聖マリーナ学園高校の生徒として、晴れて高校生の仲間入りを果たす。 このマリーナ学園、世にも珍しい『神学科』という学科を置いている高校で、実は俺が通うのもその神学科だ。 創設者が何を考えていたのかは知らないが、自分の将来に影響を及ぼす大事なものである高校選びに、神学科などという学科を選択肢に入れる中学生が日本に多くいるはずもなく、受験の倍率は毎年、一を割っている。 そんなところに何故俺は入ったのかというと、答えは単純。受験に失敗したからである。 だから正直今も、別段嬉しかったりワクワクしているワケではない。 「友也~。準備できたの~?」 下の階から、母さんの呼ぶ声が聞こえる。 「今行くよ」 そう返して、忘れ物が無いかもう一度確認してから部屋を出て階段をおりた。 母さんは下りてきた俺を見て、ニッコリ笑っている。 「似合ってるじゃない、その制服。格好いいわぁ~」 母さんはそう言ってくれるが、自分ではあまり気に入ってない。 正直、普通のブレザーに憧れる気持ちがかなりあったが、この制服はそれとは掛け離れていて、聖職者を彷彿とさせるような、かなりマニアックなデザインだった。
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