48人が本棚に入れています
本棚に追加
高橋ヤマトは、俺の小学生時代の一番の親友であると同時に、憧れの対象だった。
普段は無愛想でどこまでもマイペースな奴だが、一度コントローラーを持たせれば、こいつについていける奴など誰もいやしなかった。
小学生の頃から様々なジャンルのゲームをマスターし、そのテクニックは周りから『神』と呼ばれていて、特に一昔前に流行ったゲーム『ドラムの達人』では全国制覇も果たしており、雑誌やテレビに出た事もあるほどだ。
今となっては、たかがゲームが上手いくらいで尊敬なんてする気にはならないが、昔の親友に再会できたのは嬉しい。まさか同じ高校に入学してたなんて。
「久しぶりじゃねぇかお前!まさか高校一緒なんて、全然知らなかったよ」
「地元で入れるトコがここしか無かったんだ」
ヤマトは相変わらず無愛想。そして、勉強はてんでダメのようだった。
ヤマトと俺は同じ教室だった。
クラスメイトは皆緊張して、誰も何も話さない。この重た過ぎる空気にうちひしがれそうになっていると、ようやく先生が入ってきた。
最初のコメントを投稿しよう!