第一章 千年後の神(?)

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高橋ヤマトは、俺の小学生時代の一番の親友であると同時に、憧れの対象だった。 普段は無愛想でどこまでもマイペースな奴だが、一度コントローラーを持たせれば、こいつについていける奴など誰もいやしなかった。 小学生の頃から様々なジャンルのゲームをマスターし、そのテクニックは周りから『神』と呼ばれていて、特に一昔前に流行ったゲーム『ドラムの達人』では全国制覇も果たしており、雑誌やテレビに出た事もあるほどだ。 今となっては、たかがゲームが上手いくらいで尊敬なんてする気にはならないが、昔の親友に再会できたのは嬉しい。まさか同じ高校に入学してたなんて。 「久しぶりじゃねぇかお前!まさか高校一緒なんて、全然知らなかったよ」 「地元で入れるトコがここしか無かったんだ」 ヤマトは相変わらず無愛想。そして、勉強はてんでダメのようだった。 ヤマトと俺は同じ教室だった。 クラスメイトは皆緊張して、誰も何も話さない。この重た過ぎる空気にうちひしがれそうになっていると、ようやく先生が入ってきた。
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