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あたしがそう言った途端、
いいように受け取ったのか、ただ
単に単純なのか分からないけど、
パァっと顔をほころばせた伊波君。
「じゃぁ、これからもーー」
「だからこそ別れなきゃね」
何かを言いかけたのであろう伊波君をあたしは残酷な言葉で遮った。
「………え………」
お先真っ暗とでもいうように見事に青ざめた顔の彼。
「…好きだったけど、完全に冷めちゃった。あたし、悪口言う奴と嘘付く奴と女々しい奴大っ嫌いなの。じゃあね、それなりに楽しかったょ。」
今日は塾があるし、ダラダラ言い訳なんか聞いてる場合じゃないし。
吐き捨てるように最後の言葉を言い終えると鞄を手にして教室を後にする。
後ろから声が聞こえるけど構わず校舎を出た。
その途端ガラッと2年生の校舎の窓が開いて、よく見るとそこには伊波君がいた。
「おぃ!まじで言ってんの?!
俺嫌だから!絶対認めねぇ!」
必死にこちらに向かって叫んでいる彼を、あたしは残念ながら可哀想だと思ってしまった。
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